「EspRevizo」 エスペラント語辞書参照処理 (即製スペルチェッカー)

Word VBA(マクロ)により作成

2010年11月11日(木)

 

機能

このマクロは、Microsoft Word上で動作し、エスペラント語の文章中の単語を、ユーザー辞書と照合します。


(英単語類は、既存のメイン辞書・ユーザー辞書で校正します。)

 

注意

このマクロは、素人が作った「即席品」であり、完全無欠ではありません。
少なくとも下記の問題点や不具合があることに、御注意ください。

1. 複数の単語に全く対応していない。
処理時に使う辞書としてはデータとして読み込みしていますが、
複数からなる単語を参照する処理は全くしていません。
このマクロは、単一の単語ごとに辞書を参照します。
例:abonhelpa fonduso (「購読支援基金」)は、そのまま2語で辞書を参照できない。

2. 文法上の誤りの検査に全く対応していない。
このマクロは、単一の単語ごとに辞書を参照しますので、
文章中の単語の屈折の適否は点検できません。

3. 文書上に単一引用符がある場合、引用符か省略符か判別できないため、
[単語の点検]・[訳語の表示]で単語を適切に範囲選択できず、
辞書にない単語として誤って処理することがある。

4. [訳語ルビ]は、ルビの表示される字数が限られているため、訳語が総て表示できないことがある。

5. 処理時の状況によっては、ツールバー上のボタンを2度クリックしないと、
処理が動作しないことがある。

導入

エスペラント語辞典の準備(インターネットからの取り込み)

1. インターネット上で「

Vastaltoのエスペラントの部屋」サイトから、
[実用エスペラント小辞典 第1.81版 (Ver 1.81) 簡略見出し形式]をダウンロードし、

保存先を指定して、ローカルディスクに取り込みます。

2. [実用エスペラント小辞典]を保存先で解凍します。


解凍すると、「pejvo-s.txt」という名前のテキスト形式ファイルができます。
後で、このファイルの保存先を決め、保存先フォルダに移します。
(「マクロの準備」の3.で、マクロに保存先フォルダを指定する必要があります。)

3.移した先のファイル「pejvo-s.txt」の名前を、
pejvo_s.txt」に変更します。(ファイル名のハイフンをアンダースコアに変更すること。

マクロの準備

1. Microsoft Wordを起動し、「Visual Basic Editor」(VBE)を開いて、
マクロをコピーし、コードウィンドウに貼り付けて下さい。

2. EspRevizoは、エスペラント語代用文字置換処理マクロEspizo」の
下記の4つの既存プロシージャを、マクロの一部として使っています。
EspizoCghjsu・EspizoAeiou・EspizoOthers・EspizoRvAeiou・EspizoRvCghjsu・EspizoRvOthers
「Espizo」を導入していない場合は、「Espizo」のこの部分をコピーして、
コードウィンドウに貼り付けして下さい。

3. マクロの内、「EspRevizoConst」プロシージャ(定数設定処理)の
関連ファイルの保存先フォルダ」を指定している箇所を、
自分の環境に合わせて、「pejvo-s.txt」の保存先フォルダの指定して下さい。

「EspRevizoConst」プロシージャの当初の指定では、
既定値として「マイドキュメント」内の「
\EspRevizo\PEJVO」フォルダとなっています。
(指定した保存先フォルダが、EspRevizoの辞書ファイルの保存先になります。)

当該マクロ関連ファイルの作成

1. マクロ「EspRevizoSetUp」(初期設定処理)を実行します。
「Visual Basic Editor」(VBE)を開いた状態で、[マクロの実行]ボタンを押して、処理を実行します。

2. 辞書ファイルの保存先フォルダを新規作成します。
「EspRevizoConst」プロシージャで指定したフォルダを新規作成します。
当初の指定では、既定値として「マイドキュメント」内の「\EspRevizo\PEJVO」フォルダとなっています。

3. 2つの辞書ファイル「EspRevizoPcase.csv」「EspRevizoLcase.csv」が、
先の作業で指定した保存先フォルダに新たに作られます。

4. [実用エスペラント小辞典]ファイル「pejvo-s.txt」を、
先の作業で指定した保存先フォルダに移します。

マクロ起動のボタンの準備

Microsoft Word の文書ウィンドウの上部にあるツールバーに、
マクロ「EspRevizo」のボタンを割り当てておくと、マクロの起動が楽になります。

Microsoft Word 2002あるいは2003での作業例:
1. メニューバーの[ツール]から[ユーザー設定...]をクリックして、
「分類」の一覧から[マクロ]を選択すると、「コマンド」の一覧にマクロ名が表示されます。

2. その中から、[・・・(マクロの保存先).EspRevizo]をクリックして、
(既存の、あるいは新規作成した)ツールバーにドラッグします。
(この後、[選択したボタンの編集]をクリックすると、ボタンの表示を変更できます。)
3. [閉じる]をクリックします。(これで、このボタンを押すと、「EspRevizo」を起動できるようになります。)

Microsoft Word 2007以降での作業例:
1. [クイックアクセスツールバー]右端の[クイック アクセス ツール バーのカスタマイズ]ボタンをクリックし、
[その他のコマンド...]を選択します。
2. [コマンドの選択]リストから「マクロ」を選択すると、
下のリストボックスにマクロのプロシージャ名の一覧が表示されます。
3. [クイックアクセスツールバー]から「EspRevizo」を選択して、[追加]ボタンをクリックすると、
選択したマクロ「EspRevizo」が右のリストボックスに転記されます。
4. [OK]ボタンをクリックすると、マクロ起動用のボタンが[クイックアクセスツールバー]に登録されます。
(これで、このボタンを押すと、「EspRevizo」を起動できるようになります。)

 

使い方

Microsoft Word 2002あるいは2003での操作:
1. マクロ[EspRevizo]を起動すると、辞書の内容を読み込みします。少し時間が掛かります。


(処理中は、Word の文書ウィンドウの下部にあるステータスバーに「EspRevizo:処理中:...%」が表示されます。)

2. マクロ[EspRevizo]を起動すると、
Microsoft Word の文書ウィンドウの上部にあるツールバーに、[EspRevizo]ツールバーが新たに追加されます。

3. [EspRevizo]ツールバーのコンボボックス(左端から2番目)から実行したい処理を選択して、
[実行]ボタン(左端のボタン)をクリックすると、選択した処理が実行されます。
また、これらの処理の内、[単語の点検](右端から2番目のボタン)・[訳語の表示](右端のボタン)は、
ボタンをクリックして、処理を実行できます。

4. 処理が終了すると、文書ウィンドウの下部にあるステータスバーに「EspRevizo:処理完了!」が表示されます。

5. Microsoft Word を終了すると、[EspRevizo]ツールバーは自動的に削除されます。



Microsoft Word 2007以降での操作:
1. マクロ[EspRevizo]を起動すると、辞書の内容を読み込みします。少し時間が掛かります。


(処理中は、Word の文書ウィンドウの下部にあるステータスバーに「EspRevizo:処理中:...%」が表示されます。)

2. マクロ[EspRevizo]を起動すると、リボンに[アドイン]タブが追加されます。

3. [アドイン]タブをクリックすると、 [ユーザー設定のツール バー] グループに[EspRevizo]ツールバーが表示されます。

4. [EspRevizo]ツールバーのコンボボックス(左端から2番目)から実行したい処理を選択して、
[実行]ボタン(左端のボタン)をクリックすると、選択した処理が実行されます。
また、これらの処理の内、[単語の点検](右端から2番目のボタン)・[訳語の表示](右端のボタン)は、
ボタンをクリックして、処理を実行できます。

5. 処理が終了すると、文書ウィンドウの下部にあるステータスバーに「EspRevizo:処理完了!」が表示されます。

6. Microsoft Word を終了すると、[EspRevizo]ツールバーは自動的に削除されます。
 

 

選択する処理に関して

1. [単語の点検]


指定した範囲にある単語に関して、[実用エスペラント小辞典]辞書(およびMicrosoft Officeのユーザー辞書)を照合し、
辞書内にある単語の有無により、単語の綴りが正しいかどうか判断します。

[選択範囲]
ボタン(コンボボックスの右隣りのボタン)が[選択範囲の単語を点検する。](既定値)の場合、
マウスでドラッグして選択した範囲の単語を照合します。
範囲を選択しなかった場合は、カーソル位置から前の文(段落)を選択したものとして処理します。
[選択範囲] ボタンが[カーソルから後の単語を点検する。]の場合、
カーソル位置から文書の末尾までの範囲を点検します。

[Office辞書] ボタン(コンボボックスから右2番目のボタン)が[Officeの辞書も使用する。]の場合(既定値)
Microsoft Officeのユーザー辞書(既定の言語:日本語版の場合、通常は英語)と照合します。

[訳語ルビ] ボタンが[訳語ルビを表示する。]の場合、他の辞書にない単語で、Microsoft Officeのユーザー辞書にあった時、
英単語などの可能性があると見なして、「」と単語の上にルビで表示されます。)

[訳語ルビ] ボタンが[訳語ルビを表示する。]の場合、エスペラント語の単語の上に辞書の訳語がルビで表示されます。
(尚、単語の品詞に合った訳語が必ずしも表示されるわけではありませんので、御注意ください。)
辞書に単語がないと見なされた場合、「?」がルビに表示されます。

[単語の点検]の処理中は、文書ウィンドウの下部にあるステータスバーに「EspRevizo:処理中:...%」が表示されます。

辞書にない単語があると、その箇所に蛍光ペン書式が設定されます。
その単語の頭文字が大文字の場合、(固有名詞の可能性があるとして)明るい緑の色で表示され、
小文字の場合、水色で表示されます。

尚、文書中に既にルビなどのフィールドが設定されている場合は、単語の点検をせず
次の単語へ処理を飛ばしします。

この処理が終了すると、結果がポップアップメニューで表示されます。
辞書にない単語があった場合、[選択範囲の先頭へ]ボタンを押します。
(単語の点検をした範囲の先頭にカーソルが移動します。)
辞書にない単語がなかった場合、カーソルの移動先を指定します。
[OK]
ボタンを押すと、単語の点検をした範囲の末尾に、カーソルが移動します。
[選択範囲の先頭へ]
ボタンを押すと、単語の点検をした範囲の先頭に、カーソルが移動します。



2. [辞書に登録:明るい緑] / [辞書に登録:水色]

[単語の点検]処理で蛍光ペン書式が指定された単語を取り出し、辞書ファイル上に表示します。
(カーソル位置以降の蛍光ペン書式の単語を検索します。)

コンボボックスから[辞書に登録:明るい緑]あるいは[辞書に登録:水色]を 選択し、
[実行]ボタンをクリックすると、処理を実行します。
[明るい緑]の場合は「EspRevizoPcase.csv」を、[水色]の場合は「EspRevizoLcase.csv」を 、
テキスト形式の文書として開きます。)

単語を取り出す処理を実行し、辞書ファイルをテキスト形式の文書として開き、
この文書の末尾に取り出した単語を表示します。

取り出された単語は、エスペラント語の字上符付き文字と日本語ローマ字の長母音字の部分が、
接尾文字付き代用文字に置き換えられています。
代用文字への置き換えは、「処理の内容に関して」の2.を参照して下さい。

(既に[訳語ルビ]ボタンの[訳語ルビを表示する。]が設定された文書で、この処理を実行した場合、
訳語ルビの設定が解除されます。)


この後、必要に応じて登録する単語を編集します。
エスペラント語の単語を辞書に登録する場合は、原則として、
事物の名前を表す単語は名詞形(-o)で、事物の状態や性質などを表す単語は形容詞形(-a)で、
動詞の単語は不定形(-i)で登録して下さい。

単語の後にあるコロン(:)より後に、品詞情報や専門分野略記号・訳語を入力して下さい。
品詞情報や専門分野略記号の内、登録する単語に合った必要な文字列を残し、余分な文字列は削除して下さい。

訳語を入力した後、再び[辞書に登録]を実行すると、単語が辞書に登録されます。
(辞書ファイル「EspRevizoPcase.csv」「EspRevizoLcase.csv」を開いている時は、
[辞書に登録]以外の処理を実行しても、動作しませんので御注意ください。)

単語を登録しない場合は、文書ウィンドウの上部にあるメニューバーの[ファイル]から[閉じる]を選び、
文書を保存せずに閉じるようにします。



3. [蛍光ペン書式検索]

[単語の点検]処理で蛍光ペン書式が指定された単語を検索し、そこへカーソルを移動します。
(カーソル位置以降の蛍光ペン書式の単語を検索します。)

既に[訳語ルビ]ボタンの[訳語ルビを表示する。]が設定された文書で、この処理を実行した場合、
カーソルが検索した単語に移動した時に、その単語の訳語ルビの設定が解除されます。

 

4. [訳語の表示]
カーソル位置にある単語に関して、辞書を照合し、
辞書内にある単語の訳語をポップアップメニュー上に表示します。
(尚、単語の品詞に合った訳語が必ずしも表示されるわけではありませんので、御注意ください。
また、他の辞書にない単語で、Microsoft Officeのユーザー辞書にあった場合、
<[訳語ルビ] ボタンが[訳語ルビを表示する。]の時>
」と単語の上にルビで表示されます。)

既に[訳語ルビ]ボタンの[訳語ルビを表示する。]が設定された文書で、この処理を実行した場合、
訳語ルビの設定が解除されます。
単語が辞書にない場合、「選択した単語が、辞書にありません。」がポップアップメニュー上に表示されます。



5.[蛍光ペン書式解除]
処理を実行すると、カーソル位置から文書の末尾までの蛍光ペン書式を一括して解除します。

[単語の点検]で辞書にない単語に設定した蛍光ペン書式を解除し、元の状態に戻します。)

 

 

処理の内容に関して

1. [単語の点検]に参照する辞書に関して


辞書の元データは、広高正昭[ひろたか‐まさあき]「Vastalto」さんが作成した「実用エスペラント小辞典」を使っています。
この辞典の詳細については、日本エスペラント学会サイトにある「実用エスペラント小辞典」の頁を御覧ください。

2.[辞書に登録]に関して
 辞書ファイルの内部では、エスペラント語の字上符付き文字と日本語ローマ字の長母音字を、
接尾文字付き代用文字に置き換えて、これらのデータを取り扱っています。

EspRevizoで独自に用意している2つの辞書ファイル「EspRevizoPcase.csv」と「EspRevizoLcase.csv」では、


エスペラント語の字上符付き文字「?????? ??????」は、各々「C^ G^ H^ J^ S^ U^ c^ g^ h^ j^ s^ u^」の代用文字で、
日本語ローマ字の長母音字「ÂÊÎÔÛ âêîôû」を、各々「A_ E_ I_ O_ U_ a_ e_ i_ o_ u_」の代用文字で、保存する必要がありjます。

[辞書に登録]
の処理で、蛍光ペン書式が設定された(辞書にない)単語を文書から取り出した時、
辞書ファイルへ貼り付した際に、代用文字に置き換えています。

例:TôkyôTo_kyo_ (「東京」)

 

パソコンの再インストール時の対処に関して

1. 関連ファイルの作成で指定した保存先にある「EspRevizo」フォルダをバックアップして下さい。
当初の指定では、既定値として「マイドキュメント」内の「\EspRevizo\PEJVO」フォルダとなっています。

2. Microsoft Wordを起動し、「Visual Basic Editor」(VBE)を開いて、
マクロをエクスポートし保存して下さい。
保存先は、「マイドキュメント」内の「\EspRevizo」フォルダなど判りやすい所を指定して下さい。

3.再インストール後、バックアップした「EspRevizo」フォルダを指定した保存先にコピーして貼り付けます。
当初の指定では、「マイドキュメント」内の「\EspRevizo\PEJVO」フォルダとなっています。
(「EspRevizoSetUp」(初期設定処理)の実行は不要です。)

4.Microsoft Wordを起動し、「Visual Basic Editor」(VBE)を開いて、
2の作業の保存先からマクロをインポートして下さい。


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